決算書を読む①
決算書を読む勉強中です。
実際に企業の決算書をみながら勉強していこうと思います。
おしゃれイズムを観ていたところなので、資生堂。
比較のためにコーセーとポーラの決算書を確認していきます。
各社HPのIR情報に記載されている損益計算書(P/L)から図を作りました。
2015年と2019年の損益計算書をみてみます。
まず資生堂の資産が他の2社の3倍以上であり規模の違いがよくわかります。
一方で、資生堂のROAはコーセーやポーラに比べて低くなっています。
ROAは資産に対する当期純利益の割合であり、ROAが高いほど効率よく利益を出せていることになります。
持っている資産を最も効率よく使えているのはコーセーと言えそうです。
なお、各社の売上総利益率をみると、資生堂の利益率は他2社より低いわけではないです。
売上総利益率は売上高に対する売上総利益(売上ー原価)の割合なので、
資生堂は原価以外の広告費などに売り上げを多く使っているため利益が小さくなっていると想像します。
資生堂はCMも多いですし何となくシックリきます。
それとは別に、他の業種がどうか知りませんが、化粧品の利益率が7割以上というのは個人的には驚きです。
原料は安いですが大きな付加価値を乗せているということなのでしょう。
また、3社の中ではポーラの利益率が高いので、
より付加価値の高い商品を販売しているということになりそうです。
最後に損益計算書に戻って、各社の資産に対する資本の割合をみてみます。
コーセーは資本の割合が最も高く、仮に当期純利益が赤字になった場合でも、
その影響度は3社の中で一番小さいと言えそうです。
つまり、3社の中で最も安定した経営状態なのはコーセーといえるのかなぁと思います。
最後にキャッシュフローを確認しておきます。
コーセー、ポーラは営業CFがプラスで投資CFと財務CFがマイナスになっています。
得た利益で投資と返済が行われており、いずれも安定した経営をしていると言えそうです。
一方、資生堂は2016年や2019年に財務CFがプラスで大きな投資を行っています。
2019年決算短信によると、国内新工場やグローバルイノベーションセンターへの設備投資及び Drunk Elephant Holdings,LLC の取得などをおこなった。とあります。
ドランクエレファントは米国のClean市場*の先駆者的な企業らしいです。
*:人体や環境にクリーンな成分を使った化粧品の市場で、はやりつつあるらしいです。
HP(https://corp.shiseido.com/jp/ir/strategy/mgt.html#content-3)にある、
「「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指す」というビジョンに説得力があります。
話はそれましたが、キャッシュフローからは資生堂は攻めの経営、コーセー、ポーラは安定志向の経営なのかなと思いました。
興味のない業界でしたが調べてみると面白いですね。
今後もいろいろな企業の決算書をみて勉強していこうと思います。